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思考の連鎖(Chain-of-Thought)

思考の連鎖(Chain-of-Thought)とは、大規模言語モデル(LLM)に対して複雑な問題を解かせる際、最終的な答えだけでなく、その導出過程となる「思考のステップ」を文章として明示的に生成させるプロンプト設計手法です。 略して「CoT」とも呼ばれ、推論や計算などの多段階的なタスクにおいて精度を向上させる手法として注目されています。 通常のプロンプトでは、モデルは問いに対して直接的な出力を目指しますが、Chain-of-Thoughtでは「まず状況を整理して考え、段階を踏んで結論を導く」という形式に誘導します。これにより、モデルが内部的に保持している知識や推論能力を段階的に引き出すことができ、より正確で論理的な回答を得られるようになります。 具体例(算数問題): 通常のプロンプト: 「1個120円のりんごを3個買うといくらですか?」 → モデルの出力:「360円」 Chain-of-Thoughtプロンプト: 「1個120円のりんごを3個買うといくらですか?思考のステップを含めて答えてください。」 → モデルの出力: 「1個120円のりんごを3個買うと、120円 × 3 = 360円です。よって答えは360円です。」 このように、中間の思考過程を文章として出力させることで、複雑な質問応答、数学的推論、論理問題、法的判断などのタスクで性能が向上することが多くの研究で報告されています。 Chain-of-Thoughtは、Few-shot LearningやTool-using Agent、ReAct(Reasoning + Acting)といった他の高性能プロンプト手法とも組み合わせられ、AIエージェントの推論能力を高める鍵となる技術として活発に研究が進められています。