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ドロップアウト(Dropout)
ドロップアウト(Dropout)とは、ニューラルネットワークの学習時に一部のノード(ニューロン)をランダムに無効化することで、過学習(オーバーフィッティング)を防ぐための正則化手法です。 2014年に提案されたこの手法は、深層学習モデルの汎化性能を高めるために広く使われています。 通常、ニューラルネットワークはすべてのノードを使って学習しますが、ドロップアウトを導入すると、学習のたびにランダムに選ばれたノードを一時的に“使わない”ようにすることで、以下のような効果が得られます: • 複数の異なるネットワーク構造での学習を平均化したような効果(アンサンブル学習に近い) • 特定のノードや経路に過度に依存しない、より頑健なモデルの構築 • モデルの汎化能力(未知データへの適応力)向上 具体的には、各学習ステップで設定した割合(例:0.5)に基づいて、対象層のノードの一部を無効化します。 これにより、毎回異なるサブネットワークで学習が行われ、学習の多様性が生まれます。 推論(テスト)時にはすべてのノードを使い、学習時のドロップアウトの効果を補うため、 出力をスケーリング(重みの調整)する処理が自動的に行われます。 ドロップアウトの主な応用例: • 全結合層(Fully Connected Layer)での適用 • 画像認識、音声認識、自然言語処理などの深層学習モデル(CNNやRNNなど) • TensorFlowやPyTorchなど主要なライブラリでの標準実装 ただし、注意点としては、学習が進まない・収束が遅くなる場合もあるため、適切な割合や適用層の選定が重要です。 また、バッチ正規化(Batch Normalization)との併用では効果が限定的になることもあります。 つまり、ドロップアウトは「一部をあえて使わないことで、全体の性能を引き上げる」戦略的な学習技術であり、 特に大規模で複雑な深層学習モデルにおいて、過学習を防ぎながら高い精度を保つための鍵となるテクニックです。