Claude Fable 5・GPT-5.5・Gemini 3.1 Proはどれを選ぶべき?性能・料金・使い分けを徹底比較【2026年7月版】
2026年前半に出揃った三強の最新フラッグシップモデル、Claude Fable 5・GPT-5.5・Gemini 3.1 Proを徹底比較。ベンチマーク性能、API料金、コンテキストウィンドウ、マルチモーダル対応、ChatGPT Plus/Claude Pro/Google AI Proなど消費者向けプランでの使い方まで、公式データを中心に用途別のおすすめを解説します。
2026年前半、AI業界の「三強」が最新フラッグシップモデルを出揃えました。Anthropicの Claude Fable 5(6月9日GA)、OpenAIの GPT-5.5(4月23日リリース)、Googleの Gemini 3.1 Pro(2月19日プレビュー公開)です。
いずれも「過去最高性能」を掲げていますが、価格は最大5倍の開きがあり、得意分野もはっきり分かれています。本記事では、3モデルの性能・料金・使える製品を公式発表のデータを中心に比較し、用途別にどれを選ぶべきかを整理します。
本記事の情報は2026年7月時点のものです。ベンチマークスコアは「公式発表値」と「第三者計測値」を区別して記載しています。料金・仕様は変動が早いため、契約前に必ず各公式ページをご確認ください。
まず前提:2026年7月時点の「最新モデル」の現在地
比較の前に、各社のモデルラインナップの現在地を整理します。この半年はリリースが立て込んでおり、名前の混同が起きやすいためです。
- Anthropic: 最新は Claude Fable 5(
claude-fable-5)。同一スペックの姉妹モデル Claude Mythos 5 は認可組織限定です。6月12日に米国輸出規制関連の審査で一時提供停止となりましたが、商務省の審査完了を経て7月1日に復旧しています(公式発表)。 - OpenAI: 4月リリースの GPT-5.5 に加えて、7月9日に後継のGPT-5.6シリーズ(Sol / Terra / Luna)が一般提供を開始しました。ただしChatGPT製品内では GPT-5.5 Instant が引き続き標準モデルとして併存しており、本記事では情報の揃っているGPT-5.5を主軸に、GPT-5.6を補足として扱います。
- Google: Pro系統の最新は Gemini 3.1 Pro(
gemini-3.1-pro-preview)で、2026年7月時点でもPreviewステータスです。Flash系統は3.5 / 3.6まで進んでおり世代がずれている点、「Ultra」はモデル名ではなくサブスクリプションプラン名(Google AI Ultra)である点に注意してください。拡張推論モードは「Gemini 3.1 Deep Think」としてUltraプラン向けに提供されています。
基本スペック比較表
| 項目 | Claude Fable 5 | GPT-5.5 | Gemini 3.1 Pro |
|---|---|---|---|
| 開発元 | Anthropic | OpenAI | Google DeepMind |
| リリース | 2026年6月9日 | 2026年4月23日 | 2026年2月19日(Preview) |
| モデルID | claude-fable-5 | gpt-5.5 | gemini-3.1-pro-preview |
| コンテキストウィンドウ | 100万トークン | 約105万トークン | 最大100万トークン |
| 最大出力トークン | 12.8万 | 12.8万 | 6.4万 |
| 知識カットオフ | 2026年1月 | 2025年12月 | 非公開(未確認) |
| マルチモーダル入力 | テキスト+画像 | テキスト+画像 | テキスト+画像+音声+動画 |
| API価格(入力/100万tok) | $10.00 | $5.00 | $2.00(20万tok超は$4.00) |
| API価格(出力/100万tok) | $50.00 | $30.00 | $12.00(20万tok超は$18.00) |
出典: Anthropic公式モデル一覧、OpenAI公式モデルページ、Gemini API公式料金、Gemini 3.1 Pro公式モデルカード
スペック表から読み取れる大きな違いは3つです。
- 価格差が最大5倍: 出力100万トークンあたり、Gemini 3.1 Proの$12に対してFable 5は$50。ヘビーに使うほど差が効いてきます。
- 音声・動画入力はGeminiだけ: 3モデル中、音声・動画をネイティブ入力として公式サポートするのはGemini 3.1 Proのみです。会議録画やYouTube動画をそのまま解析させる用途では実質一択です。
- 長い出力はClaude / GPT: Gemini 3.1 Proの最大出力は6.4万トークンと他の半分。長大なコードやドキュメントを一度に出力させる用途では不利です。
コーディング・エージェント性能の比較
エンジニアが最も気にするコーディング性能です。ここは計測条件による差が大きいため、出典を分けて記載します。
| ベンチマーク | Claude Fable 5 | GPT-5.5 | Gemini 3.1 Pro |
|---|---|---|---|
| SWE-bench Verified | 95.0%(第三者計測) | 未公表(前世代GPT-5は74.9%) | 80.6%(公式) |
| SWE-bench Pro | 80.3%(公式・独自環境) | 58.6%(公式発表の報道値) | 54.2%(公式) |
| Terminal-Bench | 88.0%(v2.1・第三者集計) | 82.7%(v2.0・報道値) | 未公表 |
注意点も含めて読み解くと、次のようになります。
- Fable 5のコーディング性能は頭一つ抜けているというのが公式・第三者の双方でおおむね一致した評価です。ただしSWE-bench Proの80.3%はAnthropic独自のスキャフォールディング(足場コード)での自己計測であり、中立環境での再現値ではない点は割り引いて見る必要があります。SWE-bench Verifiedの95.0%も独立系リーダーボード vals.ai の計測値です。
- Gemini 3.1 Proは公式値の透明性が高いのが特徴で、SWE-bench Verified 80.6%はモデルカードに明記された公式値です。
- エージェント的なPC操作を測るOSWorld系ベンチマークでは、第三者計測でFable 5が85.0%、GPT-5.5が78.7%、Gemini 3.1 Proが64.7%と報告されていますが、いずれも単一ソースのため参考値に留めてください。
実務での使い勝手は、後述する「どの開発ツールから使えるか」も含めて判断するのが現実的です。
推論・知識・マルチモーダル性能の比較
| ベンチマーク | Claude Fable 5 | GPT-5.5 | Gemini 3.1 Pro |
|---|---|---|---|
| GPQA Diamond(院試レベル科学) | 約92.6%(第三者集計) | 93.5%前後(第三者集計) | 94.3%(公式) |
| ARC-AGI-2(抽象推論) | 未公表 | 未公表 | 77.1%(公式・ARC Prize検証済み) |
| MMMU / MMMU-Pro(マルチモーダル理解) | MMMU 約74.3%(第三者) | MMMU 88.3%(第三者) | MMMU-Pro 80.5%(公式) |
| LMArena(ユーザー投票) | 1位(2026/7/10時点) | 8位(GPT-5.6系) | 10位 |
- 科学・抽象推論の公式値ではGemini 3.1 Proが最強クラスです。特にARC-AGI-2の77.1%は前世代(31.1%)から劇的に伸びており、ARC Prizeの第三者検証も通っています。
- 一方、実際のユーザー評価(LMArena)ではFable 5が首位に立っており、ベンチマークと体感評価が一致しない典型例になっています。総合的な文章品質・指示追従の面でFable 5を推す声が多い状況です。
- Anthropicはベンチマーク数値の公表が少なく「ほぼ全分野でSOTA」という定性表現が中心のため、GPQAなどは第三者集計に頼らざるを得ない点は留意してください。
API料金とコストパフォーマンス
100万トークンあたりのAPI価格を再掲し、割引オプションも含めて比較します。
| Claude Fable 5 | GPT-5.5 | Gemini 3.1 Pro | |
|---|---|---|---|
| 入力 | $10.00 | $5.00 | $2.00〜4.00 |
| 出力 | $50.00 | $30.00 | $12.00〜18.00 |
| キャッシュ入力 | あり | $0.50(1/10) | $0.20〜0.40/読み取り |
| バッチ割引 | あり | あり | 約50%オフ |
| 上位/廉価版 | Mythos 5(招待制・同価格) | GPT-5.5 Pro($30/$180) | Flash-Lite($0.25/$1.50) |
ざっくり言えば、同じワークロードのAPIコストは Gemini : GPT : Claude ≒ 1 : 2.5 : 4 です(入出力比率により変動)。
- 大量処理・コスト重視なら Gemini 3.1 Pro(またはFlash系)が圧倒的に有利
- Fable 5は3社中最も高価ですが、「数日規模の自律エージェント作業を任せて人件費を置き換える」タイプの使い方では、単価より完遂能力が効くという評価です
- GPT-5.5はキャッシュ入力$0.50が強力で、同じコンテキストを繰り返し使うエージェント用途ではGeminiとの実効価格差が縮まります
なお、7月9日リリースのGPT-5.6は Sol($5/$30)・Terra($2.5/$15)・Luna($1/$6)の3階層で、中位のTerraがGemini 3.1 Proとほぼ同価格帯に投入されています。価格競争は今後さらに激しくなりそうです。
消費者向けプランでの使い方と料金
APIではなくチャットアプリとして使う場合の比較です。
| Claude | ChatGPT | Gemini | |
|---|---|---|---|
| 無料プラン | あり(Fable 5は不可) | あり(GPT-5.5 Instant) | あり |
| 標準有料プラン | Pro $20/月 | Plus $20/月 | Google AI Pro $19.99/月 |
| 標準プランでの最新モデル | 従量クレジットでのみ利用可 | GPT-5.5 / 5.6 利用可 | Gemini 3.1 Pro 利用可 |
| 上位プラン | Max $100/月〜(利用枠の50%までFable 5) | Pro $100〜200/月 | AI Ultra $99.99/月〜 |
ここは意外な落とし穴があります。
- Claude Pro($20)ではFable 5は「使い放題」にならない点に注意してください。プラン利用枠の対象外で、API同等レートの従量課金クレジットでの利用になります。定額内でFable 5を使いたい場合はMax($100/月〜、週次利用枠の50%まで)が必要です(公式FAQ)。
- ChatGPT Plus($20)とGoogle AI Pro($19.99)は、標準プランで最新モデルにそのままアクセス可能で、コスパは良好です。
- Gemini 3.1 Deep Think(拡張推論)はGoogle AI Ultra限定です。
※消費者向けプランの構成・価格は改定が頻繁なため、上表は2026年7月時点の情報として参考程度に見てください。
開発ツール・エージェント製品との関係
モデル単体ではなく「どの開発ツールから使えるか」は、実務での選定に直結します。
- Claude Fable 5 → Claude Code の最上位モデルとして利用できます(Opus 4.8 / Sonnet 5 / Haiku 4.5との4階層構成)。長時間の自律エージェント作業に最適化されています。
- GPT-5.5 / 5.6 → Codex とChatGPTのAgent Modeで利用できます。APIとCodexへの同時提供が標準になっています。
- Gemini 3.1 Pro → Gemini CLI、Google Antigravity、Vertex AIで利用可能。なおGoogleはGemini CLIをAntigravity CLIへ統合中で、今後は「エージェントファーストIDE」のAntigravityが主軸になります。
結局どれを選ぶべきか(用途別まとめ)
- 本格的なコーディング・自律エージェント開発 → Claude Fable 5。SWE-bench系の圧倒的スコアとClaude Codeとの統合が強み。コストは最も高いため、日常のコーディングはOpus 4.8やSonnet 5と使い分けるのが現実的です。
- コスパ重視のAPI大量処理・マルチモーダル解析 → Gemini 3.1 Pro。3社最安の価格帯で、音声・動画入力は唯一対応。動画・会議録画の解析パイプラインなら一択です。
- バランス型・ChatGPTエコシステム重視 → GPT-5.5(/ 5.6)。性能・価格とも中間で、Plus $20で最新モデルに触れる手軽さ、キャッシュ割引の実効コスパが魅力です。
- 月$20で最新フラッグシップを試したい → ChatGPT Plus か Google AI Pro。Claude Proは標準ではFable 5が定額対象外である点だけ把握しておきましょう。
3モデルの詳細は、各プロダクトページでも解説しています。
まとめ
2026年7月時点の三強比較をまとめると、**「コーディングと自律エージェントのClaude、コスパとマルチモーダルのGemini、バランスとエコシステムのGPT」**という構図です。どのモデルも数か月単位で世代交代が進むため(現にGPT-5.6が7月に登場済み)、特定モデルへの固定ではなく、用途ごとに使い分ける・乗り換えられる構成にしておくことが、この時代の最適解と言えそうです。
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