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さくらのAI Engine

サクラノエーアイエンジン
さくらのAI Engine
の使い方・機能・解決する業務課題

さくらのAI Engine(サクラノエーアイエンジン)とは?

さくらインターネットが提供する、国内のデータセンターでLLMなどの基盤モデルを動かす推論APIサービス。OpenAI・Anthropic互換のAPIで gpt-oss-120b・Kimi・Qwen などを使え、テキスト生成は月3,000リクエストまで無料、超過分は従量課金。GPUを専有して好きなモデルを月額定額で動かすプライベートエディション(個別見積もり)もある。

解決する業務課題

「さくらのAI Engine」のサービス詳細

さくらのAI Engineとは

さくらのAI Engine(さくらのエーアイエンジン)は、さくらインターネット株式会社が提供する生成AIの推論APIサービスです。さくらインターネットのGPUサーバーに載せたLLMなどの基盤モデルにAPIでリクエストを送ると、推論した結果が返ってきます。GPUを自分で借りたり、モデルを動かす環境を作ったりする必要はありません。

特徴は、モデルの実行と通信が国内のデータセンターで完結することです。公式は、入力データと応答を保存せず、モデルの学習やサービス改善にも使わない「ゼロデータリテンション(ZDR)」を掲げています。海外のAPIにデータを送れない社内規程がある会社でも、検討の土台に乗せやすいサービスです。

提供形態は2つあります。

さくらのAI Engine(通常版)さくらのAI Engine プライベートエディション
どんなサービスかさくらインターネットが用意したモデルを、APIで共用する自分の選んだモデルを、専有のGPU上でホスティングしてもらう
使えるモデル提供モデルの一覧から選ぶ(gpt-oss-120b、Kimi、Qwen など)オープンウェイトモデル(Kimi、Gemma など)、自社開発モデル、ファインチューニング済みモデル
料金無料枠+従量課金(トークン数・秒数などに応じて)GPU単位の月額定額。構成に応じて個別見積もり
始め方会員登録してコントロールパネルからすぐ使える問い合わせフォームから相談
向いている人まず試したい開発者、利用量が読みにくいPoC利用量が多いサービス、機密データを扱う組織、特定のバージョンを使い続けたい場合

プライベートエディションは2026年10月8日に提供が始まりました。この製品ページの料金・モデルは、2026年10月21日時点の公式サイトの表記にもとづいています。

使い方

  1. さくらインターネットの会員IDを作る 会員IDを無料で作成します。登録には電話番号での認証が必要です。すでに会員IDを持っていれば次へ進みます。
  2. 「さくらのクラウド」のプロジェクトを作る コントロールパネルにログインし、さくらのクラウドのプロジェクトを作成します。さくらのクラウドの利用にはクレジットカードの登録が必要です(ほかのさくらインターネットのサービスで登録済みなら不要)。
  3. さくらのAI Engineのプランを契約する コントロールパネルから「基盤モデル無償プラン」か「従量課金プラン」を選んで契約します。
  4. APIのアカウントトークンを発行する コントロールパネルでトークンを発行し、アプリやツールの設定に入れます。OpenAI互換のAPIなので、OpenAIの公式ライブラリをそのまま使えます。
  5. Playgroundでモデルを試す ブラウザ上で複数のモデルに同じ質問を投げ、応答の速さや品質を比べられます。コードを書く前に、どのモデルを使うか決めるのに便利です。

コントロールパネルでは、当月の利用料金と、直近30日のモデルごとのトークン数・リクエスト数も確認できます。

機能

  • テキスト生成(Chat Completions) チャットや要約、文章作成など、LLMによるテキスト生成を行います。
  • 音声の文字起こし(Audio transcription) whisper-large-v3-turbo で音声をテキストにします。
  • テキストのベクトル化(Embeddings) multilingual-e5-large などで文章をベクトルに変換し、検索や分類に使えます。
  • テキスト読み上げ(Text-to-Speech) VOICEVOX のずんだもん、四国めたん、春日部つむぎなど8つの音声で読み上げます。利用条件はVOICEVOXの各キャラクターのライセンスに従います。
  • ドキュメント管理・検索(RAG) 社内文書などを登録し、検索した内容をもとにLLMに回答させる仕組みを、API側で用意しています。
  • Playground ブラウザで複数のモデルを比べて試せます。

3種類のAPIで、既存のツールから乗り換えやすい

さくらのAI Engineは、OpenAIやAnthropicのAPIと同じ形でリクエストを受け付けます。

API互換先用途
Chat Completions APIOpenAI互換一般的なチャット・テキスト生成。多くのツールやライブラリが対応
Responses APIOpenAI互換ツール連携を前提にしたエージェント向け。現時点では画像入力とマルチターン会話には対応していない
Messages APIAnthropic互換Claude Code などMessages APIに対応したツールから直接使える。現時点で使えるモデルは「preview/Kimi-K2.6」のみ

OpenAIのAPIを使っているアプリなら、接続先(ベースURL)とAPIキー、モデル名を差し替えるだけで試せます。公式サイトでは、Claude Code から Messages API 経由でさくらのAI Engineのモデルを使う手順の記事も紹介されています。

使えるモデル

通常モデル

機能モデル
テキスト生成gpt-oss-120b、llm-jp-3.1-8x13b-instruct4
音声の文字起こしwhisper-large-v3-turbo
ベクトル化multilingual-e5-large
読み上げVOICEVOX(ずんだもん、東北ずん子、東北きりたん、東北イタコ、四国めたん、あんこもん、冥鳴ひまり、春日部つむぎ)

パブリックプレビューモデル

Qwen3-0.6B-cpu、Phi-4-mini-instruct-cpu、Qwen3-VL-30B-A3B-Instruct、Kimi-K2.6、Qwen3.6-35B-A3B、gemma-4-31B-it、Kimi-K2.7-Code、Qwen3-Embedding-4B(FP16)、Weblab-MedLLM-gpt-oss-120b が試験提供されています。

パブリックプレビューは、動作検証とフィードバックを集めるための提供です。予告なく終了することがあり、品質の保証はなく、正式提供のときに料金が変わる場合があります。本番のサービスに組み込むときは、この前提を踏まえて選んでください。

クローズドモデル(国産の商用モデル)

PFNの「PLaMo 3.0 Prime」と、NECの「cotomi v3」も使えます。ただし、モデル提供元の審査が必要です。

  • コントロールパネルの「利用可能なモデル」から申請し、結果が出るまで原則7営業日前後かかる
  • 法人アカウントのみ申請できる(個人アカウントでは使えない)
  • 無償枠の対象外で、基盤モデル無償プランでは使えない。料金はマニュアルサイトを確認するか、個別に問い合わせる
  • 推論のために入力したデータが、モデル提供元に送られることはない

料金

通常版:2つのプランと無料枠

通常版は「基盤モデル無償プラン」と「従量課金プラン」の2つです。どちらのプランにも同じ無料枠があり、翌月に自動でリセットされます。

基盤モデル無償プラン従量課金プラン
料金無料(RAGを除く)無料枠を超えた分だけ従量課金
無料枠を超えたらレート制御がかかり、リクエストが制限される最小単位ごとに料金が発生する
クローズドモデル使えない申請して使える

プランは自動で切り替わりません。無償プランで無料枠を使い切っても勝手に課金されることはありませんが、続けて使うには従量課金プランへの変更が必要です。なお、無償プランは申し込み数に上限があり、上限に達すると新規の受付を止めると公式に書かれています。

通常モデルの料金(税込)

機能モデル無料枠(1か月あたり)無料枠を超えた場合(従量課金プラン)
テキスト生成gpt-oss-120b / llm-jp-3.1-8x13b-instruct43,000リクエスト入力 0.15円 / 1万トークン、出力 0.75円 / 1万トークン
音声の文字起こしwhisper-large-v3-turbo50リクエスト0.5円 / 60秒
ベクトル化multilingual-e5-large10,000リクエスト入力 2円 / 1万トークン(出力は無料)
読み上げVOICEVOX(8音声)50リクエスト3円 / 1万モーラ
RAG―なし3円 / 100チャンク

モーラは、かな1字分の音の長さの単位です。

RAGだけは無料枠がなく、基盤モデル無償プランでも課金対象です。マニュアルでは、RAGの利用を始めてから、すべてのドキュメントを削除するまで課金が続くと注意されています。

従量課金プランで無料枠を超えた分は、モデルごとの最小単位(1万トークン、文字起こしは60秒)ごとに料金がかかります。

パブリックプレビューモデルの料金(税込)

モデル無料枠(1か月あたり)無料枠を超えた場合(入力 / 出力、1万トークンあたり)
Qwen3-0.6B-cpu3,000リクエスト0.01円 / 0.03円
Phi-4-mini-instruct-cpu3,000リクエスト0.01円 / 0.03円
Qwen3-VL-30B-A3B-Instruct3,000リクエスト0.1円 / 0.3円
Kimi-K2.63,000リクエスト0.6円 / 3円
Qwen3.6-35B-A3B3,000リクエスト0.3円 / 1.5円
gemma-4-31B-it3,000リクエスト0.24円 / 0.96円
Kimi-K2.7-Code3,000リクエスト0.52円 / 5.04円
Qwen3-Embedding-4B(FP16)10,000リクエスト3円 / 無料
Weblab-MedLLM-gpt-oss-120b対象外0.9円 / 4.5円

公式の料金表では、テキスト生成の通常モデル2つの無料枠と、パブリックプレビューのテキスト生成モデル7つの無料枠が、それぞれ1つの欄にまとめて「1ヶ月あたり3,000リクエストまで」と書かれています。モデルごとの枠か、まとめて1つの枠かは、料金表からは読み取れません。

プライベートエディションの料金

料金はGPU単位の月額定額制で、構成に応じて個別に見積もります。公開された金額はありません。見積もりと相談は無料で、問い合わせフォームから受け付けています。

プライベートエディションでできること

プライベートエディションは、自分の選んだモデルを、さくらインターネットのGPU基盤に専有でホスティングしてもらうフルマネージドのサービスです。推論基盤の構築から運用・監視、障害対応まで、さくらインターネットが行います。

  • 好きなモデルを置ける Kimi、Gemmaなどのオープンウェイトモデルのほか、自社で開発したモデルや、ファインチューニングしたモデルを預けられます。預けたモデルはAPI経由で使える状態にして提供されます。
  • 定額で、使った量に料金が左右されない トークンの利用量で料金が変わらないため、アクセスが多いサービスや、利用量を読みにくいサービスでも予算を立てやすくなります。国内で完結するサービスなので、為替の影響も受けません。
  • 専有のGPUと閉域接続 GPUを専有するので、ほかの利用者の負荷に左右されにくく安定します。入力データやモデルを外部に出さない閉域接続にも対応しています。
  • 入力データを学習に使わない 通常版と同じく、入力データと生成結果は保存されず、学習にも使われません(ZDR)。
  • モデルのバージョンを固定できる モデルの更新で回答の傾向が変わるのを避け、特定のバージョンを使い続けられます。

公式は使い方の例として、社内や特定の顧客だけに限定した利用、自社のAIサービスを外部に提供する基盤としての利用、OpenAIやAnthropicの外部モデルと組み合わせた利用の3つを挙げています。

データの扱い

  • 入力データと応答内容は保存されず、モデルの学習やサービス改善にも使われない(ZDR)
  • 入力したプロンプトはキャッシュもされない
  • 入力データと応答は国内のデータセンターで処理される
  • クローズドモデルを使う場合も、推論の入力データはモデル提供元に送られない

メリット・デメリット

メリット

  • 国内のデータセンターで完結し、入力データを保存・学習しないと明記されている
  • テキスト生成は月3,000リクエストまで無料で試せる。無償プランなら上限を超えても勝手に課金されない
  • OpenAI・Anthropic互換のAPIなので、既存のアプリやClaude Codeなどのツールから乗り換えやすい
  • テキスト生成だけでなく、文字起こし・ベクトル化・読み上げ・RAGまで1つのサービスでそろう
  • PLaMo、cotomi といった国産の商用モデルも、申請すれば同じAPIで使える
  • 利用量が増えたら、定額・専有のプライベートエディションに移る道がある

デメリット

  • 通常版はSLA(品質保証)の対象外
  • 無償プランでも、アクセスが集中すると一時的に429エラー(リクエスト過多)が返ることがある
  • 選べるモデルは提供モデルの一覧に限られる。GPTやClaudeなど海外の商用APIのモデルは含まれない
  • 多くのモデルがパブリックプレビューで、予告なく終了したり料金が変わったりする可能性がある
  • RAGは無料枠がなく、無償プランでも課金される
  • プライベートエディションは料金が公開されておらず、問い合わせが必要

評判・口コミ

公式の発表と提供条件から見ると、さくらのAI Engineは次のように評価が分かれるサービスです。

  • 選ばれる理由になりやすい点: 国内で完結し、データを保存・学習しないと明記されていること。無料枠で手軽に試せ、無償プランなら上限を超えても課金されないこと。公式サイトでは、Dify と組み合わせたナレッジ検索や、Claude Code との連携の手順も紹介されています。
  • 比べるときに気をつけたい点: 使えるのは提供モデルの一覧にあるモデルで、GPTやClaudeなど海外の商用APIのモデルは含まれません。性能の最先端を求める用途より、データの扱いとコストを優先する用途に向いています。

導入を決める前に、Playgroundで自分の用途のプロンプトを試し、応答の品質と速さを確かめるのがおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q. さくらのAI Engineは無料で使えますか? A. 使えます。基盤モデル無償プランなら、gpt-oss-120b などのテキスト生成を月3,000リクエストまで無料で使えます。ただし、さくらのクラウドの利用にクレジットカードの登録が必要です。RAGは無償プランでも課金されます。

Q. 無料枠を使い切ったらどうなりますか? A. 基盤モデル無償プランでは、レート制御がかかってリクエストが制限されます。自動で従量課金に切り替わることはありません。従量課金プランでは、無料枠を超えた分に料金がかかります。

Q. 通常版とプライベートエディションの違いは何ですか? A. 通常版は、さくらインターネットが用意したモデルを共用し、使った分だけ払う従量課金です。プライベートエディションは、自分の選んだモデルを専有のGPUで動かしてもらい、GPU単位の月額定額で払います。閉域接続や、自社モデル・ファインチューニング済みモデルの持ち込みに対応するのはプライベートエディションです。

Q. プライベートエディションの料金はいくらですか? A. 公開されていません。GPU単位の月額定額制で、構成に応じて個別に見積もります。見積もりは無料です。

Q. 入力したデータが学習に使われることはありますか? A. ありません。公式は、入力データと応答内容を保存せず、学習やサービス改善にも使わないとしています。プロンプトのキャッシュもしません。

Q. 国産のLLMは使えますか? A. 使えます。llm-jp-3.1-8x13b-instruct4 は通常モデルとして無料枠つきで使えます。PFNの PLaMo 3.0 Prime と NECの cotomi v3 は、法人アカウントで申請し、提供元の審査を通れば使えます。

Q. Claude Codeで使えますか? A. Anthropic互換の Messages API を使えば、Claude Code から接続できます。ただし、現時点で Messages API で使えるモデルは「preview/Kimi-K2.6」だけです。

Q. 法人アカウントでないと使えないものはありますか? A. クローズドモデル(PLaMo 3.0 Prime、cotomi v3)は法人アカウントのみ申請できます。個人アカウントでは使えません。

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